西を引っ張った岡田監督の采配に田尾氏は疑問を呈した(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

　10月29日に行われた日本シリーズ第2戦はオリックスが阪神に8‐0で勝ち、対戦成績を1勝1敗とした。オリックスは先発マウンドを任された宮城大弥が6回無失点と好投、打線も初戦のお返しとばかりに8得点を挙げ、今シリーズ初勝利を飾った。阪神は先発の西勇輝が前半で4失点とゲームを作ることができなかった。

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　試合はオリックスが3回に西野真弘の適時打で1点を先制。さらに4回にも2死ランナー無しから宗佑磨が四球で出塁すると、そこから紅林弘太郎のライト線への安打を皮切りに4連打が飛び出し、オリックスが3点を追加。5回以降も阪神の救援陣から得点を重ね、計12安打8得点での快勝。阪神はこの日、4安打と打線が沈黙、5回以降はノーヒットに終わった。

　両チームの先発投手の内容も明暗が分かれるなど、試合展開が前日の初戦から一転、オリックスが投打で圧倒した。そしてこの2戦目について、阪神の投手交代のタイミングが勝敗を決したとみる球界関係者の声が伝えられている。

　現役時、中日、西武でペナント制覇に貢献し、阪神でも5シーズンを過ごした田尾安志氏がYouTubeチャンネル『TAO CHANNEL』を第2戦終了後に更新。この日のゲームでのポイントなどについてコメントした。

　田尾氏は、4回裏の阪神が追加点を奪われたシーンについて「久しぶりに岡田監督がピッチャー交代の時期を誤ったかなという印象を持っています」と述べている。2死走者なしから四球、さらに4本のヒットを打たれるまで先発の西が続投し、結果的にこの回で3点を許すこととなった。この一連のシーンには「2失点をしたところが西の交代のタイミングだと感じていた」と言及。

　また、「3点を取ったチームが勝つと思っていた」と見通していたと語る田尾氏は、「3点目を取られないようにリリーフ投手を出さなければいけなかったのでは」と指摘。「普段の勝負勘の良い岡田監督であれば、（西を）替えていたと思うんです」と指揮官の采配の印象を語っている。

　さらに、オリックス投手陣のポテンシャルを踏まえ「4点を取られたところで試合はほぼ決まった」として、「もったいない点の取られ方をしてしまった。そのきっかけは2死ランナー無しからの四球だった。（四球からの得点は）いつもは阪神の点を取るパターンですが、それをオリックスにやられてしまった」と勝負の分かれ目となったとするイニングの展開を振り返っていた。

　シーズン中は継投でピンチをしのぐ場面も多かった阪神だったが、このゲームでは流れを引き寄せることができなかった。実力が拮抗するチーム同士の頂上決戦は、3戦目より阪神の本拠地、甲子園に舞台を移すこととなる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]