ドラフト１位ルーキーの森下もチームの大きな力となっている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

　阪神は８月２２日の中日戦（京セラドーム大阪）に延長戦の末、３－２のサヨナラ勝ち。最後は主砲・大山悠輔の一振りで試合を決着させた。

　延長１０回二死満塁の好機に打席に入った大山は田島慎二の甘く入った変化球をしっかりと捉え、打球を左前へ運んだ。ダイヤモンドを一周するとナインからのウォーターシャワーが待っていた。４時間２５分の熱闘にケリをつけ、チームは目指す優勝にまた一つ駒を進めた。

【動画】大山が決めた！延長１０回二死満塁の場面、４番の大山がサヨナラタイムリーを放った場面

　約１か月半ぶりの先発登板となった西勇輝は６回途中を投げ７安打３失点、後を継いだ中継ぎ陣が無失点リレーと役割をしっかり果たせたことで１０回の逆転劇に結びついた。

　また延長１０回の場面、クローズアップされたのは二死満塁に至る過程にもあった。３－３で迎えた延長１０回、二死まで追い込まれながら１番の近本光司が中前打で出塁すると、続く中野拓夢、森下翔太がしっかりと四球を選び、４番につなげた。

　３番に入った森下はこのところ当たりが止まっていたが、この日は１点を追う７回にも同点に追いつく適時二塁打を放っていた。これが２０打席ぶり安打。四球を選んだ１０回の場面もフルカウントに持ち込まれながら、ファウルで粘って、しっかり四球をもぎ取っていた。

　今季のチームでは岡田彰布監督の肝入りで「四球査定」が導入されている。四球にも安打同様の価値があるとして、査定ポイントが上がったこともチーム指針として浸透している。今季のチーム四球数は「３９０」（２２日現在）とリーグトップを誇る。四球をしっかり選び、得点につなげる―、シーズンを通じて貫いてきた戦い方が要所で機能できていることも強みとなっている。

　これでチームは２００８年以来となる１５年ぶりの貯金「２５」、マジック「２５」と明るい数字が並び、快進撃は止まりそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]