近本（右）はもちろん、森下（左）の台頭も阪神の打線を活気づけている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

　オールスター明けより、セ・リーグ首位の阪神が好調を維持している。

　後半戦、7月22日から今月6日まで10勝3敗1分け、2位の広島には2.5ゲーム差をつけており、恒例の長期ロード真っ只中でも現在は4連勝中。8日からは東京ドームで巨人との3連戦を迎える。

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　好調の要因の1つが上位打線の固定が挙げられる。脇腹に死球を受け離脱していた近本光司が復帰、さらに新人の森下翔太が3番に定着、それぞれがコンスタントに安打を放っている。また、前半戦ではファーム行きも経験した佐藤輝明も8月の月間打率が3割を超えるなど結果を残し、2番・中野拓夢、4番・大山悠輔も現在まで十分に役割を果たしてきている。

　投手陣の層の厚さに加え、打線も復調と、攻守が上手くかみ合っている現在の戦いぶりがチーム成績に反映されていることは明らか。特に主力打者の安定したバッティングが目立つ後半戦の阪神打撃陣には球団OBからも称賛の声が贈られている。

　現役時、阪神の主軸として活躍し、本塁打や打点王も獲得した掛布雅之氏がYouTubeチャンネル『掛布雅之の撞球』を8月7日に更新し、ここまでの阪神打線について語った。

　掛布氏はリードオフマンの近本、チャンスで好打を放っている3番・森下の活躍を称えながら、1番から5番までの上位打線が固定されていることが大きなアドバンテージであるとして「（打線が固定されると）それぞれが前後の打者の顔が見え、調子がわかる」と指摘している。

　その上で「他の打者の調子がわかることで、自分が何をすべきかが見えてくる」と打線がつながっている理由を述べ、加えて「この状態が続けば、岡田監督が春先に語っていた『4点打線』は組めるんじゃないかと思う」と見込みを示していた。

　また、掛布氏は阪神をはじめ、セ・リーグ上位球団の今後を展望しており、2位につける広島については新井貴浩監督の采配や選手への接し方などを称賛しながら「最後までチーム力は落ちないのではないか」と分析。また3位の巨人もエースの戸郷翔征、4番の岡本和真の存在を挙げ、まだ優勝の可能性もあると述べながらも、8日からの3連戦について「もし阪神が勝ち越すようであれば、広島との一騎打ちになるのでは」とコメントしている。

　「ミスタータイガース」として長く活躍した掛布氏が主張する通り、打順の固定により好結果を残してきている阪神。上位チームとの戦いが熾烈さを極める中、打線が調子を取り戻してきたことは心強い限り。巨人との連戦でも、これまでのパフォーマンスを保つことができれば、チームがさらに勢いづくことは間違いないだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]