阪神ファンとして、“今の藤浪晋太郎”とどう向き合えばいいのだろうか | ニコニコニュース


藤浪 晋太郎(ふじなみ しんたろう、1994年4月12日 - )は、大阪府堺市南区出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。MLBのオークランド・アスレチックス所属。 小学1年生で「竹城台少年野球部」に入団し野球を初め、堺市立宮山台中学校時代は「大阪泉北ボーイズ」に所属。主に投手を務め、球速は最速142…
120キロバイト (17,063 語) - 2023年6月15日 (木) 21:27



 海の向こうでもがき苦しむあの人に、私たちはどんな声を届けたらいいのだろうか。

Call me Fuji」 「Like Mt.Fuji」

 笑顔で流暢な英語を披露し、思い切ったプレーをしたいと記者会見自己紹介をしてからどのくらいの月日が経っただろうか。

メジャーリーガ藤浪晋太郎

 その響きに心が躍り、プロ1年目からずっと応援をし続けている者として、念願の夢を叶えた彼がとても誇らしかった(もちろん、寂しさもあったけど……)。

 そんな彼は今、どんな想いを抱えながらマウンドに立っているのだろうか。

 素人の私には到底想像がつかない。

ネットニュースは、わざわざ2ケタの防御率を教えてくれる

 日本時間の6月19日時点で3勝6敗2ホールド防御率10.65――。

 お世辞にも、“順風満帆”とは言えない数字が並んでいる。

 成績だけではない。投球内容も、思わず目を覆ってしまいたくなるようなシーンばかりなのも事実だ。

 彼が投げるたびに、その投球内容がネットニュースに流れてくる。記事のタイトルは毎回「防御率●●」と、頼んでもいないのに2ケタの防御率をわざわざ教えてくれる。

 他の選手と違い、なぜか活躍したときより打たれたときのほうが大きく扱われている気もする。

 SNS上には色々な言葉が飛び交い、中には彼を傷付けるものや根拠の無い憶測でしかないようなものもあったり様々だ。

 私は阪神ファン藤浪晋太郎を昔から応援しているけれども、こうしてこんな記事を書いているのは「ずっと信じてる」や「まだ大丈夫!」なんて綺麗な言葉だけを並べたいからではない。

 160キロを超える剛速球を持つだけに、もしも相手に死球を与えてしまい当たりどころが悪ければ、その選手の選手生命をも奪いかねないし、大怪我に繋がってしまう事だってある。

 相手チームの選手や家族、ファンからしたら堪らないというのは事実だ。

謀な挑戦なのかもしれない……でも、藤浪晋太郎の“意地”が見たい

 でも、だからといって思うような結果を出せずにいる藤浪晋太郎を私たちファンが信じてあげなければ、親族や恋人、友人……身内以外で誰が彼を応援し、支えてあげる事が出来るのだろうか?

 応援スタイル人それぞれだけど、“素晴らしい成績を残している時にだけ”応援するなんて事は私には出来ない。

 メジャーでの先発デビューの日。

 藤浪投手のお母様が手を合わせながら祈り、とても不安そうなお顔で懸命に応援していた姿を思い出すと、いたたまれない気持ちになる。

 何でもいい、何かきっかけさえ掴んでくれたら……アスレチックスの試合速報を見る度にそんな事を考えてしまうし、6月に入って少しだけ本来の姿を取り戻しつつある(ように見える)事への期待も、正直ある。

 彼のこれまでの野球人生はきっと、苦しい事の方が多かったと思う。

 今回のメジャー挑戦もそうだ。“29歳の藤浪晋太郎”は、彼自身が思い描いていた姿とは違うかもしれない。

 だけど、その道は自らの意思で選び望んだのだから、どうか悔いの残らないように全力で戦ってほしい。

 今年、海を渡った吉田正尚選手や、プロ同期の大谷翔平投手は、日本で確かな実力と実績を作ってから海を渡った。そう考えると、彼のメジャー移籍は確かに無謀な挑戦なのかもしれない。

 それでもたった1人でメジャーという大舞台に挑み、挑戦し続ける藤浪晋太郎の“意地”というものをこの目で見たい。

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(あまえび)

藤浪晋太郎 ©時事通信社


(出典 news.nicovideo.jp)